製造業を変革する!新サービス『ROBOFIT®』をキックオフ!

ROBOFIT® – 製造業の未来を創造する協働ロボット・ソリューション
誕生の背景
人手不足が叫ばれて久しく、製造業においても労働力不足は深刻化しています。
ジャストインタイム生産の流れの中で、要求元から急な納品要求がある、夜勤の人員が確保できない、管理者が現場に入ってギリギリで対応している――こうした状況が日常化している現場があることを見聞きします。
「人手不足ならロボットを導入して自動化すればよいのではないか」と、現場からちょっと遠い非技術系の会社経営者様や上位層の方は簡単に言われるようです。(^^ )
経営者様は、会社の方向を示すのが仕事ですので、現場の細かい事情はわからないことは仕方のないことです。
人手に頼らざるを得ない作業工程は、40年以上にわたる自動化の波から取り残されてきた領域です。それには、投資効果が見込めない、多品種少量生産のために自動装置の設計が困難といった、それなりの理由があります。そのため、人による作業が今なお続けられているのです。
簡単にできるのならとっくにやってますね。
上記の理由により、このような現場においては、人手作業を本当に自動化できるのか「やってみないとわからない」ということが多いケースばかり。さらに、自動化は高額な初期投資が必要なのに加え、中小企業においては特に、運用人材不足も大きな障壁となっています。
残されたフロンティア=「手作業現場の自動化」を実現するには、現場に即した柔軟なソリューションが求められています。
ROBOFIT®のアプローチ
ROBOFIT®は、「試す・シンプルに導入・育成する」という3ステップを通じて、製造現場の自動化を包括的に支援するソリューションです。
1. TRY (現場で試す)
ROBOFIT®は、「やってみないとわからない」という現実に寄り添い、「お客様の環境で実際に使用できるようにセットアップした」テスト用ロボットを持ち込み、導入効果や想定されるリスクを評価します。これにより、机上の想像やコンピュータシミュレーションだけでは得られない“リアルな感覚”を補うことができます。導入を検討しているロボットを実際にテストするのですから、当然のことです。
当日は、弊社の試験用ロボット(協働ロボット FANUC CRX-10iA/L・CRX-20iA/L)を持ち込み、お客様の現場で、実際の作業を1日だけロボット自動化し、その様子をご確認いただきます。「論より証拠、百聞は一見にしかず」。まずは実際に試してみることが重要です。
もちろん、現地試験の前には、ハンドの設計・製作やテスト用の簡易装置の準備を行い、弊社工場内でのテストを経て、万全の状態で臨みます。ロボットアーム先端のハンドは一般的に一点ものとなるため高価になりがちですが、試作品と割り切り、まずは実用可能なものを製作します。こうした対応ができるのは、弊社が設計も手掛ける鉄工所だからこそです。必要なものを即座に製作できることが、弊社の強みです。試作に複雑な形状が求められる場合には、3Dプリンタで試作部品を作成することもあります。3Dプリンタ製の部品は耐久性に欠けますが、数日間のテストに耐えられれば十分と割り切っています。
さて、このように「仮の準備」とはいえ、現場に適した設備を整え、弊社内で模擬現場を作り、入念なテストを重ねたうえで、お客様の出張試験を迎えます。しかし、実際に現場で運用してみると、さまざまな気付きがあります。
まず、想定通りにはいかないケースがあるということです。ロボットが期待通りに作業をこなせず、時折停止することもあります。特に量産を前提とした自動化現場では、不良停止率0.1%以下が最低基準とされることが一般的です。例えば、1日1,000個の生産ラインであれば、停止は1回あるかないかの水準です。実際には、1日1回でも停止すれば「チョコ停」と呼ばれ、是正が求められるレベルです。経験上なんとか許容されるのは 1/5,000~ 1/30,000程度のチョコ停率ぐらいです。
一方、テスト仕様のロボットでは、100回に数回程度の失敗率で稼働する場合もあります。この現状をお客様がどのように評価されるか、そして改善のためにどのような対策を講じるべきか、共に検討していきます。また、協働ロボットとの隣接作業であれば、この程度のチョコ停は許容範囲と判断することもあります。この議論は、設備投資額の判断基準を決めるうえで重要です。チョコ停に対する許容度次第で、ロボット設備のコストが大きく変動するためです。もちろん、理想は完全にチョコ停のない設備ですが、実際に自動化が難しいとされる作業現場では、人の手の感覚に頼る作業の置き換えを目指すためチョコ停ゼロは非常に難しいケースが多いです。これを見極めるためにも、実機による評価は不可欠だと考えています。
実地テストは、課題を洗い出すだけの場ではありません。「自動化は難しい」と考えられていた工程で、ロボットが実際に作業する様子を見ると、単純に“楽しい”と感じることもあります。
このサービスは、サービス名を付ける前からすでに4件の導入実績があり、その中にはテスト時に感動していただいたお客様もいらっしゃいました。その際、「自動化は無理だと思っていたが、今日のテストでイメージが湧いた。ありがとうございます。」というお言葉をいただきました。私どももこの言葉に大変感銘を受け、弊社の理念である「創意を尽くし、イメージをカタチに」は、この経験をきっかけに生まれました。
自動で動くものを見るのは、純粋に楽しいものです。展示会などでロボットの動きを眺め続ける人がいるように、「ずっと見ていられる」と感じる方も少なくありません。私たちも同じです。さらに、協働ロボットは自分の隣で作業し、疲れを知らずに働き続けてくれる。まるで健気な相棒のような存在です。自動化の面白さ、楽しさ、ワクワク感。これこそが “TRY”の醍醐味 だと考えています。
2. SIMPLE (シンプルに導入する)
実地トライで得た知見やデータを活かし、コンパクトかつ効果的なスペックから導入を開始できます。これにより、初期投資を抑えながら、段階的にシステムを拡張することが可能です。必要最低限の機能に絞ったコンパクトなシステムを提供することで、導入コストやリスクを大幅に削減できます。例えば、複数の現場で流用可能な移動型ロボットなど、柔軟性を備えた設計が特徴です。
これまでの実績4件のうち、1件のお客様は、ご自身でプログラムを開発し、運用されています。弊社は最低限のスペックとプログラムのみを提供しましたが、お客様が独学で開発を進められました。ロボット販売元の商社様に非常に知見のある方がいらっしゃり、その方のサポートがあったからこそ、このような取り組みが可能だったのだと思います。そして1年後に訪問した際、当時の月産8,000個の製品について完全自動化を達成されたと伺い、驚きと感動を覚えました。
このような取り組みこそ、協働ロボットの未来だと強く感じました。協働ロボットは、我々のようなセットメーカーがすべてを準備して提供するのではなく、ユーザー自身が拡張し、さまざまなワークに応用していく姿が理想的であると考えます。どこかで耳にした「協働ロボットはハードウェアではなく、ソフトウェアである」という言葉が、まさにその本質を示しているように思います。現場のユーザーが必要に応じて改造しながら運用する。未完でよいというわけではありませんが、完全な設備でなくとも許容できるのは、止まってもすぐに立ち上げ直せる、ユーザーに近く寄り添う協働ロボットならではの特長ではないでしょうか。
3. LEARNING (ロボットマンを育成する)
上記のように、お客様が自力で自動化を確立された例を見聞きするうちに、お客様の習熟をサポートするスタイルこそが、新たなロボットSIerの在り方の一つではないかと考えるようになりました。
ユーザーは、多品種少量生産の要求に対応するために、すべてのプログラムを我々SIerに依頼すると、莫大な投資が必要になってしまいます。実際の現場では、プログラム開発を進めている間に生産要求が変わったり、工程の組み立て方法が変わったりすることが予想されます。そのため、こうした状況下では、ロボットによる自動化に踏み切れないという現実があるのではないでしょうか。
本ROBOFIT®アプローチでは、ユーザー様にSIMPLEスペックの協働ロボットを提供すると同時に、ロボットの基本的な取扱い教育、改造のための応用教育、ロボット運用に関する周辺技術の教育コンテンツなどを提供します。教育プログラムを通じて、現場でロボットを効果的に運用できる「ロボットマン」を育成することで、自動化システムが長期的な効果を発揮できるようになります。
現在、人手不足の中で「ロボット取扱い人材の育成までは手が回らない」という企業様の声も耳にします。しかし、近い将来、企業内部で自動化を推進する組織が必要になると確信しています。そして、現在の現場に余裕がないうちは、我々がサポートする意義があります。我々のような思いを持ったSIerはこれからたくさん出てくるでしょう。そして進む先、将来的には、さまざまな企業で自動化組織が自立し、自社で自動化を推進していく時代が訪れるでしょう。
そうなったとき、「我々の仕事はなくなるのか?」とも考えますが、それはまた別の話です。今後、我々の仕事はより難しく・より高度なロボティクス技術の開発や利用技術の習熟と、そのコンテンツ化(=標準化)へとシフトしていくでしょう。例えば、現在話題になっている中国のAIヒューマノイドロボット。これらが実用化されるのも時間の問題と言われていますが、こうした最先端の技術が主流となるとき、これに習熟し世に広める活動こそが、我々の役割であると感じています。
とはいえ、あのヒューマノイド、故障したら修理できるのだろうか……(^^;
閑話休題。
ROBOFIT®におけるLEARNINGは、「魚の釣り方を教える」イメージに近いですね。これまでのアプローチは、釣った魚を料理して提供するようなものでした。しかし、これからの時代は、ユーザー自身が魚を釣る=ロボットを操作し、自ら自動化に挑戦する時代になると考えています。その方が、きっと楽しいはずです。
現在は、集合型教育プログラムやオーダーメイドの実地トレーニングが中心ですが、今後2年ほどのROBOFIT®アプローチの中で蓄積される実地テストの知見を活かし、eラーニングプログラムを構築していきたいと考えています。その頃には、AIによる企業コンシェルジュサービスの利用も手頃な価格になっているでしょう。そこで「AIロボットマン」を創り、AIロボットマンがユーザーにコンテンツを提供する——これが、今、我々が描く最大の夢です。
日本の製造業の未来へ
ROBOFIT®は、少子高齢化や労働力不足といった社会問題に対し、新たな価値を提供します。
現場の声を大切にしながら、ともに成長し、日本の製造業全体を底上げする役割を担っています。
ぜひ、この未来志向の挑戦にご期待ください。ROBOFIT®とともに、製造業の新たな地平を切り拓きましょう。
2025年、ROBOFIT®は**国際ロボット展(iREX2025)**に出展します。さらに、出展者セミナーにも登壇する予定です。そのために、TRY事例を10件集めることを目標としています!
この想いを胸に、2月7日(金)~8日(土)に富士市で開催された**地元の展示会「ものづくり力交流フェア2025」**に出展しました。これがROBOFIT®の記念すべきデビューイベントとなりました。いよいよ本格始動です!
展示会では、実際に6件のTRY希望案件をご依頼いただきました。今週から現場ヒアリングを開始し、その様子もブログでご紹介する予定です。
現在、無料モニターを募集しています。詳しくは お申し込みページ をご覧ください。